人間は変わるんだ。
「できるかなあ…」と思っていることも絶対にできる。
僕は1年のうちに数回、各地の市民マラソン大会にお邪魔しています。そこでお会いするランナーの皆さんは、本当に一生懸命だね。人間は誰でもなにかしら「進歩したい」という気持ちを持っているもんだ。ランナーの皆さんはそれに向かって素直に純粋に頑張っている。そうするとね、人間は変わることができる。「できるかなあ…」と思っていることも、絶対にできちゃうんだよ。
例えば、僕の先輩にあたるAさんの話。Aさんは数十年間仕事に夢中で働いていて、気がついたら若い頃より30kgも太ってしまった。さすがに健康に不安を感じてね、定年を機に走り始めたら、なんと1年半で30kg痩せて元の体重に戻した。さらに、64歳になったAさんは40年ぶりにフルマラソン(=42.195km)に挑戦したんだ。そうしたら、3時間15分台で走ってきちゃったんだよ。これには僕も驚いた。64歳で40年ぶりのフルマラソンで3時間15分台は立派なタイムですからね。
ほかにもね、頑張って変わった人を僕はいっぱい見てきたよ。フルマラソンを3時間半のランナーが3か月の練習で30分縮めて2時間56分台になった例もある。さらには、有森やQちゃんのように、オリンピックでメダルをとった人だっているからね。
「健康管理のために走りたい」「フルマラソンを完走したい」「サブ3を出したい」「指導者のいない陸上部でも頑張りたい」……「進歩したい」という気持ちをもつランナーが、より楽しく速く走れるように、この『小出道場』でお手伝いしていきたいと思っているよ。
大会に出ると楽しくなるよ
走り始めたばかりの人はさ、順位やタイムなんて狙わないでいい。「歩いてもいいや」という位の気持ちで大会に出てみてよ。タイムを縮めることだけ思うと苦痛になるから、大会の雰囲気を楽しんでほしいんだ。各大会に特色があってさ、景色が素晴らしいとか、町の人の応援が温かいとか……会場でお友達をつくるのもいいね。
健康管理のために走り始めた人は、大会に出るとなると、「完走できっかなあ」という不安があると思う。でもだからこそ『完走できたときの喜び』があるんだよ。「自分でも完走できた!」って、嬉しくなるでしょう。
それにね、大会に出て走ったあとは、『終わった〜』という開放感でビールが10倍うまくなる(笑)。もちろん、食事も何倍もおいしくなる。開放感があるから口数も多くなって、仲間とのおしゃべりもいつもより楽しいよね。
千葉ちゃん(=千葉真子選手)が優勝した8月の北海道マラソンでも、大会後のパーティーや宴会を楽しみに来ていたランナーは多かったよ。千葉ちゃんだって、開口一番に「おいしいお寿司が食べたい」だったからね(笑)。それでいいんです。順位だけじゃなく、楽しむ気持ちがないとね。
あとね、軽いジョギングは、体にたまっている老廃物を体外に出せる利点があるね。汗はもちろん、腸の動きが活発になるから体が中からキレイになっちゃうんだよ。特に飲みすぎた次の日なんかはいいね〜。ランニング自体に、いいことがいっぱいある。だから、走ることが好きになるんだよね。
次回更新は27日の予定です。
第2回テーマは「明日から走り始める」。 走った経験のない人が、
走り始めるときに気をつけなければならないことは?
具体的にどんな練習をすればいいの?走り始めの第一歩にすべきことを、
小出監督が教えます。お楽しみに! |