小出道場 虎の巻

初心者の方からサブ3ランナーまで役に立つ小出監督のノウハウを順次お届けします。

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第6回 「ランナーの食生活 1.貧血予防」

2004年11月24日 更新

疲れやすいと感じている人は貧血かもしれない

ランナーにとってね、血液というのはとても大事なの。

なぜかというと、全身に酸素を運んでくれるのは血液だから。特にね、赤血球にあるヘモグロビンがそのはたらきをしてくれているの。血液検査をすると、ヘモグロビン値がわかるから目安にするといいね。できることなら皆さんも、3か月に1回くらい血液検査をして、自分の調子がいいときと悪いときの血液の状態を調べてもらうといいですよ。病院へ行けばやってくれますから。

鈴木博美(=1999年アテネ世界陸上女子マラソン金メダリスト)は、生まれながらにヘモグロビン値が15以上あった。今、佐倉アスリート倶楽部の選手にそんな数値の選手はいないよ。Qちゃん(=高橋尚子選手)も休養中は13くらいあるけれど、練習が始まると11くらいになっちゃう。普通の子は11くらいになったら走れないよ。それでも走れるのは、Qちゃんは心臓が強いからなの。

今、「なんだか調子がわるいな」「疲れやすいな」と感じている人は、貧血の疑いがあるから病院で検査してもらうといい。貧血をなおさないと、いくらトレーニングを頑張っても疲れる一方で、結果が出ないからね。

 

貧血にならないためには毎日の食事が大切

では、貧血にならないためにはどうしたらいいか。

皆さんは食事に注意したほうがいい。特にね、陸上をやっている子供をもつお母さんは栄養について勉強するといいと思う。食べ物というのは一番大事だから、子供たちのためにおいしいものをつくってあげて欲しい。

毎回の食卓に、動物性たんぱく質、植物性たんぱく質、緑の野菜、赤い野菜、黄色い野菜(僕らはこれを「信号の色の野菜」と呼んでいる)、これが全部並んでいるかな、ってチェックしてあげるの。トレーニングに入るときは、まず食事に気を遣わないといけないよ。

「マラソンレースの前は炭水化物をとりなさい」と聞いたことがある人もいると思う。試合前はそれでいいけれども、普段から炭水化物ばかりでいいかというと、それは大きな間違いですよ。

普段は、鉄分や亜鉛が多く含まれるものを食べるといい。ひじきや豚レバー、牡蠣(かき)なんかいいよ。貧血予防にレバーがいい、というのは皆さんご存知ですね。豚レバーがいいんだけど、なければ鶏レバーでもいいですよ。僕らが合宿に行くボウルダーでは、鶏レバーは売っているの。毎日、食事に出している。ひじきも毎日出している。

また、たんぱく質が不足しても血液はできない。それは、食事で『血液になる卵(=鉄)』を胃にたくさん貯めても、たんぱく質不足だとその『卵』が『ひよこ』に孵らないからなんだよ。たんぱく質は鉄を吸収するはたらきをもっているんだ。動物性たんぱく質の魚や肉は毎日食べる。佐倉に来た当初、千葉ちゃん(=千葉真子選手)は本当に食が細かった。お肉なんて出すと、こっそりシソの間にはさんで捨てていたこともあったよ。だからね、なんでもよく食べるQちゃんと僕の間に座って食べてもらったの。そうしたらね、今は本当によく食べるようになったよ。そうしたら故障をしにくい体になった。

植物性たんぱく質の代表格である納豆も毎日食べさせている。ボウルダーでは1パック200円もするんだけど、大豆には鉄分も多く含まれているからね、欠かせないんだ。

今は皆さんもいろいろ学ばれて、薬局に行ってサプリメントを買ってきたり、試されたりしていますね。とてもいいことだと思いますよ。ただし、サプリメントに頼りっぱなしで安心してちゃダメ。まずは、ちゃんとした食事をとることが基本だからね。

日本のいろんな選手と食事をする機会があるけれど、食べない選手が多いのは残念だね。全体的にスマートになってしまっているんだよな。男子だったらね、毎日でっかいステーキを食うようじゃないとダメだ。学生の選手は金銭的な問題もあるから仕方がないけれど、指導者が選手の食生活にも気を配れるといいね。

 

次回更新は12月1日(水)の予定です。

第7回テーマは「ランナーの食生活 2」。
次回も引き続き食事とランニングのお話です。
痩せれば速くなる? 痩せたいときに気をつける食事は?
気になる体脂肪とランニングの関係について、 小出監督が教えます。
お楽しみに!

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