月間走行距離を計算しているだけのランナーが多い!?
新年に向けて、カレンダーと一緒に練習日誌を新調する人も多いんじゃないかな。皆さんは、きちんと練習日誌をつけているかな? 僕はね、ずっとノートにつけてあるよ。もちろん今は、自分の練習ではなく選手の練習と調子を書き込んでいる。今度、皆さんにもちょっと見せてあげたいね。
練習日誌は必要なのか、と思う人もいるだろうね。必要ですよ。どうしたって人間は忘れるから、書いて残しておくことが必要になる。でもね、初心者の多くは練習日誌をうまく使っていないだろうな。毎日、走った距離を記録して、月末になったら月間走行距離(=1ヵ月に走った距離)を計算して。「今月はたくさん走ったなあ」って満足して終わり。確かに、月間走行距離は大いに参考になると思うよ。特に初心者のうちは、自分の進歩を確かめるためのわかりやすい数値だね。でも、それだけで終わったらもったいない。練習日誌は『自分で練習方法を開拓するため』にあるんですよ。
真似に終わらない自分だけの練習メニューをつくるために
今、いろんな雑誌や本に、目的に応じた練習メニューの例が書いてあるよね。その通りに真似をしても、ある程度のところまでは走れるけれど、それ以上は強くなれません。それに同じメニューをこなしても、個人差があることを覚えていてほしい。
そこで皆さんに見直してもらいたいのが、練習日誌なの。過去に、どんな練習をしたら調子が上がったかな、と振り返ってみる。例えばね、週末に長い距離を走ったとして、週の初めの調子がよかったか、週の真ん中の調子がよかったか……メニューと体調をノートにつけておいて参考にするといいんだ。
僕が、道場のランニングモニターでお伝えしているメニューは、何度も言うけれどそのまま真似しても意味はないの。「こんな練習もあるんだな」と参考に走るのはいい。そして走ってみたら、自分の体調がどうなったか確認して、日誌に記しておくの。そうしたデータが積み重なるとね、自分で練習メニューをつくろうとするときに、役に立つんだよ。自分はいつどんな練習をするとよい記録が出るのか、なにをしたら疲れがとれやすいのか、実感できるようになるからね。
起床時の脈拍数で疲労度がわかる
練習日誌に書くことは、練習内容と体調、そして睡眠時間や食事内容なども書いておくと、生活の改善に役立つね。体調は、自分の感覚で「疲れているのか、絶好調か」を感じ取るのも大切だけれど、客観的に把握する方法もある。それには、脈拍を計る習慣をつけるといい。目が覚めたら、布団から出る前に寝た姿勢のままで1分間の脈拍数を計るの。身を起こしてしまうと自然に数値があがってしまうので、寝た姿勢で。疲労がたまっていると、一般的に脈拍数は多くなります。いつもより脈が多かったら「体が疲れているんだな」と自覚した上で、トレーニングに取り組もう。
「じゃあ、脈拍がいくつ以上になったら疲れているから練習をセーブしたほうがいいの?」と疑問に思う人がいるかもしれない。けれど、それは一概には言えない。脈拍数は、個人差があるからね。ただし、トレーニングで心肺機能を高めていけば、一般的に脈拍数は下がっていく。1回の鼓動で流す血液量が増える(=心臓のポンプ機能が高くなる)から。僕は、現役時代に28だったときもあるよ。今はもう普通の人間だから60以上あるなあ。
「多い脈拍数は疲れのサイン」と話したけれど、「ある朝計ってみたら前日よりうんと脈拍数が下がっていた」なんていうときは、心肺機能になにかしら起こっている可能性があるから、病院に行ったほうがいいね。
皆さんには、強くなるためにも自分の体調に敏感になって、管理できるようになってほしいね。そのための第一歩として、練習日誌をつけ始めてみよう。
次回更新は1月7日(金)の予定です。
第11回テーマは「コンディショニング」。
言葉には聞いたことがあるけど、実態はなに?
良い記録を出すためのコンディショニングってあるの?
コンディショニングの奥の深さを、小出監督が教えます。
お楽しみに!
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