走行距離、タイム、体脂肪率……どれが大切?
ランニングの世界には、いろんな数字が飛び交っているんですよ。本来は『スタートして走ってゴールしてタイムがいくつか』というだけの、単純な楽しいスポーツなんだけど、さすが情報化社会だね。皆さんからもいろんな言葉が飛び出してくるから、逆にびっくりしちゃうくらいですよ。走行距離、スプリットタイム、心拍数、最大酸素摂取量、体脂肪率。質問をよく受けますよ。どうやってとるのが正しいのか。適正値はどれくらいなのか。アスリートはどうやっているのか。
最後の質問に最初に答えると、アスリートのとるデータはチームによって違いますね。しかもトップ選手になると、ペースや心拍数なんかは感覚でわかるから、逆に時計とにらめっこする必要がない部分もある。体感もね大切ですよ。
ただ、ビギナーは経験が足りないから感覚では把握できないこともある。それを、客観的な数値で補う、と考えるのがいいんじゃないかな。
タイムや距離はどうやってとるのが正解なの?
トレーニングで計ったタイムや距離は練習日誌に記録しておこう。以前の日誌と比較すると、自分の成長を把握できるようになっているかな?
ジョギングをするにしても、例えば60分jogのとき、本来は60分を計れる時計だけあれば最低限いい。けれど、60分で公園を何周したかなども覚えておけば、次回同じコースで60分jogをしたときに成長したかどうかわかるね。正確な距離がわからなくても、自分なりの目安をつけておくといいと思うよ。
正確な距離がわかるとなおいいね。公園や河川敷のランニングコースに行けば、距離表示があると思うよ。探してみてください。距離表示がない道を走るときは、自動車の距離計で計測しておいたり、地図上で計算したり。ベテランになると、感覚で走った距離がわかるようになります。
距離がわかると、自分の走力を正確に把握できますね。全力で1kmを走って4分かかったとか、ラクに走ったら6分だったとか。レース本番のペース設定もそれを基にできる。ただし、初めのうちは「何分/kmペースで走ろう」と決めても、その通りには走れないものです。ペース感覚が身についていないと、本番も自分の想定以上のペースで走ってしまい、オーバーペースで疲れちゃうんだよ。ペース感覚を磨く練習というのも今度話そうね。Qちゃんは特にペース感覚に優れている選手で、例えば「1kmを4分で走ろう」と決めて走り始めたら、前後1秒以内の誤差で走ってきちゃうんですよ。
月間走行距離、という言葉もあるね。1ヵ月に走った距離のこと。日本のオリンピック出場選手は、月間1000km以上の走り込みがいつも話題になるあの数字。皆さんもね『フルマラソンを楽しく完走したいなあ』と思うなら、平日は10km、休日は20kmを走りましょう。そうすると月間200〜250kmは走ってほしい。記録を狙っている皆さんは、もちろんもっと走っていることでしょう。
心拍数とランニングはどんな関係があるの?
最近は、心拍計の機能がついたウォッチが普及していますね。皆さんからも心拍数に関する質問をよくいただきます。
ランナーにとって心拍数はふたつの意味がある。体調の把握と、練習の強度チェック。朝、目が覚めて起き上がる前、安静時の脈拍を計るのは体調を把握するためです。疲労が抜けきれていないときなどは、脈拍が多くなるので気をつけてください。このことは虎の巻
第10回『練習日誌』でもお話しましたね。練習の前後に計るのは、強度をチェックするため。その日の練習でどれだけ自分を追い込めたのかを確認するんです。この場合、走り終わった直後、息が整わない内に計る。心拍数が上がっていればいるほど追い込めた証拠です。練習を重ねるうちに、同じタイムで走っても心拍が前ほど上がらなくなります。それは、心肺機能が鍛えられたことを意味するので、練習の強度をもっと上のものに見直してみてもいいかもしれないね。
初心者に最適な心拍数の目安として、「138−(年齢+2)=目標脈拍数」の公式があります。この心拍数で保てるペースが、いわゆる「おしゃべりできるペース」の目安です。長く楽しく走り続けられる。ジョギングに適したペースだね。ウォーキングでも心拍数がここまで達してしまうようであれば、心肺機能が高まるまで焦らずにじっくりウォーキングに取り組もう。
では、佐倉アスリート倶楽部の選手が練習後に毎回脈拍を計っているかというと、そうでもない。もちろん人にもよるけれど、はじめにお話したとおり、選手自身の感覚でどれだけ追い込めたかわかる場合が多いからね。計測するときは、皆さんと同じように手首に指を当てて脈をとってますよ。
次回更新
第17回テーマは「練習結果を数値で管理 2」
数値で見る体形と貧血の話。
体脂肪とヘモグロビン。
ランナーの適正値を、小出監督が教えます。
お楽しみに!
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