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佐倉アスリート倶楽部のストレッチ風景。各人がそれぞれ集中して、ストレッチを行っている。

 

小出道場 虎の巻

初心者の方からサブ3ランナーまで役に立つ小出監督のノウハウを順次お届けします。

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第24回 「痛み・故障の予防 1. ストレッチング」

2006年3月29日 更新

走ると足が痛くなるのはなぜ?

小出道場でも、全国にお邪魔するマラソン大会でも、熱心なランナーの方からいろいろと質問を受けます。その中でも、足の痛みに関する質問は特に多い。フォームを変えたほうがいいのだろうか、シューズがいけないのだろうか、練習が悪いのだろうか……質問をした本人が、すでに原因がわかっている場合も少なくない。もちろん、原因はいろいろと考えられるのだけれど、皆さんに真っ先に見直して欲しいのは「ストレッチを十分に行っているか?」ということ。

どうしてストレッチをしないといけないの?

ランナーが悩まされている腰、膝、すね、足裏などの痛みは、アクシデントによるケガでない限り、主に筋肉に疲労が蓄積してしまったことが原因です。疲労が蓄積すると、筋肉の柔軟性が低下して硬くなる。すると、筋肉が十分に伸びないから周辺の腱や筋膜に負担がかかったり、ひどくなると筋膜炎や骨膜炎になったり、肉離れなんかも起きたりするね。

だからと言って「疲れないように」と練習量を落としていては、いつまでたっても強くなれない。目標を達成する練習メニューをやり抜くためには、たまった疲労を取り除く工夫が必要になります。

柔軟性が低下した筋肉をほぐすには、日頃のストレッチが一番。最近、体のどこかしらに痛みを感じている人は、試しに柔軟性のチェックをしてみるといいですよ。

例えば、うつ伏せに寝て、足首を 90 度に曲げた右脚を膝からゆっくり折りたたんで、かかとがお尻につくかな? 個人差はあるけれど、自然につくのが望ましいね。もし、まったくつかないようだったら、腿の前側の筋肉(大腿四頭筋)に疲れがたまっているかもしれない。

今度は、仰向けになって、膝を伸ばしたまま右脚をゆっくりあげていく。垂直になるまであげられるかな?

あるいは片足立ちをして、宙に浮かした足をブラーンブラーンと、前後左右に振ってみるだけでもいい(反動はつけずに自然に)。どこか、極端に振り幅が小さいところはないかな?

そうやって意識をしながら身体を動かすと、自分の弱点も見えてくるね。疲れがたまっているところがわかったら、そこを念入りにストレッチすればいい。

ストレッチのやり方 ― 強さや方法は人によって違って当然

「ストレッチはなにを何回やればいいんですか?」という質問もよく受けますが、これは練習メニューが人によって、目標によって違うのと同じように、ストレッチも本来はその人のコンディションによって違うんですよ。基本は、「気持ちいい」とリラックスできるまでやること。「痛い」と思うまで伸ばす必要はありません。
ランナーが特に気にして欲しいのは、背中、腰、股関節、腿の前側、裏側、ふくらはぎ、アキレス腱、足首……自分が疲れを感じているところを中心に行いましょう。ストレッチは、柔軟体操とは違って「イチ、ニ、サン、シ」と号令をかけて、グイグイ伸ばすものではありません。ゆっくりと「伸ばしている筋肉(腱)を意識しながら」行うものです。他人との比較ではなく、自分の感覚が大切なの。「今日は腰が硬いな」と思ったら、そこを念入りに伸ばせばいいんです。
例えば、アキレス腱を伸ばす場合でも、30秒から40秒かけてじっくりと深く伸ばしてゆくのが 理想なんですよ。やっぱりひとつの箇所をストレッチするのに、10秒や15秒じゃ足りないね。ストレッチは血液循環を良くするために行うものだから、15分程度しっかりと行えば結構汗をかくはずです。これぐらいやって初めてストレッチの効果があるんですよ。
そうは言っても、仕事などが忙しくて、練習前後にストレッチの時間までとれない人もいるでしょう。そういう人は、入浴時や睡眠前の布団の中で気になる部分を少しでも伸ばしておくと、次の日が楽になります。

入浴後のストレッチを習慣化しよう

大会にお邪魔したときなど、皆さんの様子を見ていると、走り終わったらストレッチをする間もなく、慌しく近くの店に移動して一杯やっていますね。それは、楽しいから仕方ないな。ただし、走り終わった後は、体を冷やさないことが先決。汗をかいたシャツで、ストレッチをしていたら風邪を引いてしまうかもしれない。まずシャツを着替えて、時間が許せばストレッチをして、みんなと飲みに行きましょう。これは、普段の練習でも同じこと。冬の寒空の中、無理してストレッチをする必要はありません。走り終わったら、体が冷えないうちに着替えを優先してください。

練習後、レース後に時間がなくてストレッチができなかった場合は、入浴後にしっかりストレッチをするといいですよ。また、シャワーだけで済まさないで、湯船にゆっくりつかることも疲労回復には効果があります。そして、冷水と温水を交互にかけるシャワーも、血行を促進しますから、疲労がとれます。

そうして、身体を温めて、リラックスした状態で、部屋でゆっくりとストレッチをしておけば、気持ちよく 1 日を終え、また新たな気持ちで次の日の練習に望むことができますね。

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