小出道場 虎の巻

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第32回 「シューズ選び 1」

2007年6月7日 更新

マラソンを走ろうという人にとって、トレーニングと同様に重要なのがシューズ選び。 「まだ初心者だから何でもいいや」と思ったら、大間違い。 子供の頃から裸足で野山を駆け回って育ったケニアやエチオピアの選手なら、 どんなシューズでもタフに対応できるんだろうけど、日本人はシューズを選ばなきゃダメ。ランナーにとって“シューズは命”。自分にあった1足を慎重に選んでほしいよね。

シューズ選びはクルマ選びによく似ている。クルマにも乗り心地のいいのと悪いのがあるでしょう。若い人は見た目がカッコいいクルマについ目が行って、乗り心地は二の次になりがち。シューズも、初心者の人はデザインがいいとか色がいいとかを基準にして選んじゃう。素材よりも見た目が第一なんだね。でも、シューズ選びは履き心地が重要。足を入れて軽く走ってみたときに、履き心地がいいか悪いかをまずは実感として把握すること。

私がシューズ選びで一番重視しているのは、靴底のゴムの“返し”です。最近は発泡スチロールみたいに軽くて履きやすいシューズがあるけれど、地面を蹴ってもスコーン、スコーンと力が抜けて、靴にバネがないのはダメ。こういうシューズを履いていると、ジョギングしただけで土踏まずのあたりがすごく疲れちゃう。

この“返し”を見るための目安が、靴底の反発。シューズを手でグッと後ろに反らすと、ゴムが戻ろうとして反発するでしょう。そのときに、土踏まずのあたりがフニャッと柔らかいのはダメだね。だって、ここの反発を使ってポーンとキックして走るんだから。ここに大事なポイントがある。土踏まずの部分にわざと割れ目を入れて、足の裏が屈折しやすいように細工したシューズも見かけるけど、あまりお勧めしないね。

私が履いているシューズは、ジョギング用だけど柔らかくて軽いんだよ。ちょっと履いてみな。軽い? でも、バネがあるだろう。マラソンの場合、あんまり軽すぎてもよくないの。私の経験ではあまり軽くしすぎると“返し”がなくなっちゃうね。それと体重の重い人と軽い人でもシューズ選びは違うよ。体重の重い人は、キックしたときにそれだけ多くの負荷が足にかかるわけだから、靴底のゴムが柔らかいとこれまた疲れちゃう。少し硬めのものを選ぶといい。

値段的な目安としては、1万円から1万2000円ぐらいのシューズだね。シューズは走る人の命だから、あんまり値段のことは考えず、自分に合ったものを買った方がいいね。

<次回つづく>

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